シワ取りが苦手な人のためのワイシャツケア|濡れがけで仕上がりを変えるアイロンテクニック

冬になると、ニットや綿シャツなど厚手の衣類はシワが戻りやすく、アイロンがけが大変ですよね。そんな時に役立つのが「濡れがけプレス」。生地を軽く湿らせてからアイロンを当てることで、通常よりもシワが伸びやすくなる便利なテクニックです。

スチームアイロンだけでは足りない理由

一般的な家庭用アイロンにはスチーム機能が付いていますが、蒸気は温度が高く、布に触れた瞬間に蒸発しやすいため、繊維の内部まで十分に水分が入りません。そのため、深いシワがなかなか伸びないことがあります。

一方「濡れがけ」は霧吹きであらかじめ生地を軽く湿らせ、繊維内部に水分を含ませてから熱を与える方法です。これにより繊維が柔らかくなり、スチームだけでは取れない深いシワまでしっかり伸ばすことができます。つまり、濡れがけは「霧吹きでの保湿」+「アイロンの熱」を組み合わせることで、より確実なシワ取りが可能になるのです。

濡れがけプレスの基本手順

1. 霧吹きで軽く湿らせる

シワが気になる部分だけを「しっとり」程度に湿らせます。水が多すぎると水ジミや変形の原因になるため注意しましょう。

2. 当て布をのせて保護

湿った生地は熱を受けやすく、テカりが生じやすいため、薄い綿布やハンカチなどの当て布を必ず使います。

3. 中温〜高温で“押して離す”プレス

アイロンを滑らせるより、「上から押して離す」を繰り返す方がシワが確実に伸びます。布は冷めるまでそのまま動かさないのがポイントです。

4. 仕上げはハンガーで自然乾燥

完全に乾くまでハンガーにかけて休ませると、シワ戻りが起きにくくなります。

濡れがけに向いている素材・向かない素材

向いている素材

  • 綿シャツ・綿パンツ
  • 麻(リネン)
  • デニムなど丈夫な布地

避けたほうが安心な素材

  • ウール
  • シルク
  • レーヨン
  • 濃色のポリエステルやナイロン

濡れがけプレスのリスクと注意点

1. 色の昇華(色抜け)が起きる可能性

濡れた繊維に高温アイロンを当てると、染料が気化して色が薄くなる「昇華」が起きることがあります。特にポリエステルやナイロンなどの合成繊維、黒・紺などの濃色ではリスクが高くなります。

2. テカり(光沢ムラ)が出やすい

湿った状態は繊維が非常に柔らかくなるため、強い圧をかけると生地表面の繊維がつぶれ、テカりが発生しやすくなります。スーツ生地や制服は特に注意が必要です。

3. 水ジミ・輪ジミのリスク

部分的に湿らせたつもりでも水分が多い場所に高温を当てると輪ジミが残る場合があります。特にウールやレーヨンでは発生しやすい傾向にあります。

4. 素材によっては縮みが発生

ウールやレーヨンなどは、濡れた状態で熱を加えることで繊維内部の水分が急激に動き、縮みが起こりやすい素材です。

5. 家庭用アイロンでは再現しにくい仕上がり

プロのアイロンは高温を一定に保ち、大量スチームを使用し、生地を立体的に支える台を使います。そのため家庭ではクセが取れにくいことがあります。

脱水後すぐにプレスしてはいけない理由

濡れがけは「適度に湿った状態」でのプレスが効果的ですが、脱水後すぐの衣類は水分量が多すぎるため、通常の濡れがけとは異なるリスクがあります。以下の理由から、脱水後すぐのプレスは避けるようにしましょう。

1. 濡れ方にムラがあり輪ジミが発生しやすい

脱水直後の衣類は水分が部分的に残っているため、そのまま高温を当てると乾きにくい部分に輪ジミが発生することがあります。

2. 色の昇華が通常より起こりやすい

水分を多く含んだ繊維は染料が移動しやすく、高温が加わることで昇華しやすくなります。濃色や合成繊維では特に注意が必要です。

3. 繊維が最もデリケートな状態でダメージを受けやすい

洗濯直後の繊維は柔らかく、水で膨張した状態です。この状態で高温アイロンを当てると、テカりや毛羽立ち、風合いの低下などにつながります。

4. 不要なシワやクセまで強く固定される

水分量が多い状態で高温を加えると、本来伸ばしたいシワ以外の折れクセまで強く定着してしまうことがあります。一度定着したクセは家庭用アイロンでは直しにくくなります。

プロに任せたほうが安心なケース

  • 大切な衣類(スーツ・制服・高級素材)
  • 濃色の合成繊維(黒・紺など)
  • ウール・シルク・レーヨンなどデリケート素材
  • 形崩れしやすい衣類

まとめ

濡れがけプレスは家庭でも使える便利なシワ取り方法ですが、水分量や素材によっては色抜け、輪ジミ、縮み、テカりなどのトラブルが起きる可能性があります。スチームアイロンとの違いを理解し、正しい湿らせ方と温度管理を行うことで、仕上がりがより美しくなります。大切な衣類はプロに任せることで、安心して長く着用できます。

 

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